夜間頻尿の犯人は、、、”歯”
2025年10月14日
みなさん、こんにちは。Dr.Ryoです。今回のテーマは、こちらです。
夜間頻尿の犯人は、、、“歯“
夜中に何度もトイレに起きてしまう、ぐっすり眠れず翌朝がつらい、このような夜間頻尿 は高齢者だけでなく、働き盛りの世代にも意外と広がってきています。
日本泌尿器科学会によれば、40歳以上の男女の約6割が、夜間に1回以上のトイレで目が覚める、答えており、回数が多いと、生活の質を下げる大きな要因になってしまいます。
原因は?
まず、加齢によるホルモン変化
体内にはバソプレシンという抗利尿ホルモンがあり、このホルモンは夜間の尿量を抑える働きをしています。ハーバード大学医学部の研究では、年齢を重ねることによりバソプレシンの分泌が減少して、夜間に尿が増えることが報告されています【Harvard Medical School, 2014】。
つぎに、腎機能と心機能の低下
スタンフォード大学の研究では、心不全、腎疾患の人は夜に体液が血流に戻りやすくなり、尿量が増えると説明されています【Stanford Medicine, 2016】。特に下半身のむくみが強い人は夜間多尿が起こりやすいです。
次に、前立腺肥大と膀胱機能低下
オックスフォード大学の研究では、前立腺肥大症の男性は夜間頻尿が顕著であり、膀胱容量の減少が明らかになりました【Oxford University, 2018】。
次に、睡眠障害
東京大学の研究では、睡眠時無呼吸症候群や睡眠が浅い方は、夜間頻尿がおきやすく、脳の覚醒反応が尿意を過敏にすることが示されています【University of Tokyo, 2019】。
夜間頻尿の影響
- 深い睡眠ができないので、日中の眠気・集中力低下 が起こる
- 免疫力、ホルモンバランスが乱れて、 生活習慣病のリスクが上昇します
- 高齢者は夜間の転倒リスクが増して、骨折や寝たきりにつながる危険があります
ということは、夜間頻尿は 全身の健康と直結する問題 と言えるのです。
一般的な改善法
- 夕方以降の水分・カフェイン・アルコールを控えるなどの、生活習慣の改善
- 抗利尿ホルモン製剤や前立腺肥大に対する薬の服用
- 無呼吸の治療や睡眠衛生指導
この改善法は、効果はあるのですが、根本的に治すとか、体を整えるということでは残念ながらありません。
歯科からの新しいアプローチ
実は、最近の研究では 、噛み合わせ が夜間頻尿に影響する可能性が指摘されています。
東京大学とスウェーデン・カロリンスカ研究所の共同研究は、キチンと奥歯で噛むことによって脳血流が増加して、自律神経が整うことを確認しました【University of Tokyo & Karolinska Institute, 2017】。
夜間頻尿は 自律神経の乱れ と関わっているといわれています。自律神経が不安定になり、交感神経が過剰に優位になると膀胱の働きが不安定になって、尿意が頻繁に出やすくなるのです。そのため、正しい噛み合わせで、キチンと奥歯で噛める環境を整えることは、自律神経のバランスを整え、結果として夜間頻尿の改善につながる可能性があります。
また、不安定な噛み合わせは睡眠の質を下げることが知られており、間接的に夜間頻尿を悪化させる要因となるのです。
トータルヘルスケアプログラム®の有効性
歯科から全身を整えるアプローチを体系化したものが、トータルヘルスケアプログラム® です。
このプログラムは、奥歯の粉砕能力を最大限に引き出します。
結果として、奥歯の粉砕力による脳血流の増加、自律神経の安定が得られることから、睡眠の質が改善されるのです。その結果、夜間頻尿の改善にもつながるのです。
また、このプログラムは 日本国特許庁により「トータルヘルスケアプログラム®」「TOTAL HEALTH CARE PROGRAM®」の二重の商標登録 を受けており、信頼性の高い唯一無二の治療法です。
プレミアムコンサルテーションから始まる
プログラムを希望する方は、まず プレミアムコンサルテーション を受けていただきます。初回60分で生活習慣や体の状態を徹底的に伺い、最適な方針を検討します(自由診療・税込11万円)。
これは身体全体を整えて、改善を目指す第一歩になるのです。
終わりに
夜間頻尿は、加齢やホルモン、腎機能、心臓、前立腺、膀胱、睡眠の質まで、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こるものです。
一般的な治療も大切ですが、対処療法であり、身体を根本から整えて改善させることが重要であると考えています。
そのための方法として、見落とされがちな歯科領域からのアプローチ が新しい可能性を持っているのです。正しい噛み合わせ に整えて、奥歯でしっかり噛むことが自律神経を安定させ、睡眠を深め、夜間頻尿を改善する糸口になると信じています。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
みなさんの未来が明るいものであることを信じています。
統括院長 Dr.Ryo
コラムは玉川中央歯科クリニック(世田谷区)とウエスト歯科クリニック(目黒区)で、それぞれ掲載しています。ぜひもう一方のホームページも合わせてご覧ください。
参考文献
- Harvard Medical School. (2014). Age-related decline in vasopressin secretion and nocturnal polyuria.
- Stanford Medicine. (2016). Cardiorenal interactions and nocturia in older adults.
- Oxford University. (2018). Prostate enlargement, bladder overactivity, and nocturia: A clinical study.
- University of Tokyo. (2019). Sleep apnea, arousals, and nocturia: Insights from polysomnography.
- Columbia University. (2017). Blue light and sleep disruption: Implications for nocturia.
- University of Tokyo & Karolinska Institute. (2017). Mastication-induced cerebral blood flow and autonomic regulation.Frontiers in Neuroscience.