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歯周病にならない方法とは?

2026年4月7日

歯周病になった女性

結論 をいいます

歯周病は予防できます

歯周病は、世界で最も多くの人が抱える炎症性疾患の一つですが、近年の研究によって予防可能な生活習慣病であることが明確になってきています。

原因の中心にあるのは、細菌とそれに対する体の反応であり、、つまりプラークと炎症のバランスの乱れにあるのです。

そしてその背景には、喫煙、糖尿病、ストレス、睡眠、栄養などの生活要因が複雑に絡み合っています。

国内外の大学研究や国際的な論文は、共通して次のことを示しています。

歯周病を防ぐためには、細菌を減らすケア、体の抵抗力を保つ生活習慣、定期的な歯科受診という三つの柱を、科学的根拠に基づいて継続することが欠かせません。

歯周病の本質

歯周病になった歯茎歯周病は単なる歯ぐきの病気ではなく、口の中の微生物と体の免疫反応とのすれ違いから起こる慢性的炎症です。

ハーバード大学とフォーサイス研究所の共同研究によると、Porphyromonas gingivalis や Tannerella forsythia などの細菌が毒素を出し、体の免疫を過剰に刺激して炎症を長引かせることが明らかになっています(Socransky et al., 1998)。

その結果、歯を支える骨が少しずつ溶けて、歯が動いてきて、最終的に失われてしまうのです。

この炎症反応には、体質や生活環境も大きく関わってきます。スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究では、喫煙、糖尿病、加齢、遺伝的素因などか免疫応答を変化させ、歯周病を進行させることが示されました(Kinane et al., 2017)。

つまり、歯周病は細菌人の体質や生活などが複雑に絡んだ病気になるのです。

日々のケアで守る

歯周病予防のデンタルケア用品

歯磨きは最も基本的な予防手段ですが、歯ブラシだけではプラークを完全に落とすことはできません。研究によると、その除去率はおよそ60%にとどまります(Löe, 1967)。

そのため、歯間ブラシやデンタルフロスの併用が必須となります。これらを使用することで、歯と歯の間の汚れを取り除き、細菌の温床を断つことができるのです(Ng & Corbet, 2006)。

さらに、電動歯ブラシの有効性も科学的に証明されています。

ニューヨーク州立大学バッファロー校によるコクランレビューでは、電動歯ブラシが手用ブラシよりもプラーク除去効果と歯ぐきの炎症抑制に優れていることが報告されています(Yaacob et al., 2014)。

ただ、まだ、論文が見当たらないので、問題定義として書きますが、電動歯ブラシの振動数の高さは、私としては、何らかの影響がでる可能性があるのではないかと、考えています。

そのため、電動歯ブラシを使用する際は、必ず、使用方法にキチンとしたがって使用することが必要であると思います。

また、洗口剤の活用も有効です。国際歯周病学会(IAP)の総合レビューによると、クロルヘキシジン、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、エッセンシャルオイルを含む洗口剤は、補助的プラークコントロールとして科学的に有効性が確認されています(Volman et al., 2021)。

全身と口のつながり

規則正しい生活を送る女性

歯周病を防ぐためには、生活全体を整えることも欠かせません。

喫煙は歯周病の最大のリスク因子の一つです。

イギリスのニューカッスル大学の研究では、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周治療の効果が著しく低く、炎症の改善が遅れることが示されています(Heasman et al., 2006)。

最近は喫煙する人口が減ってきましたが、禁煙は最も効果的な予防策といえます。

糖尿病についても見ていきましょう。

歯周病は血糖コントロールを悪化させ、糖尿病は歯周炎を進行させるという双方向の関係が明らかになっています(Preshaw et al., 2012)。

したがって、医科と歯科が連携し、全身の健康を管理することが歯ぐきを守る鍵となります。

ストレスや睡眠不足も同様に、歯周病を悪化させます。

米国バッファロー大学のGencoらは、慢性的な心理的ストレスが免疫の働きを変えて、炎症反応を強めることを明らかにしました(Genco et al., 1999)。

十分な睡眠と心身のリラックスは、口腔の炎症を防ぐ重要な要素になりえるのです。

栄養と免疫

バランスの取れた食事をとる様子

ビタミンCの不足は歯ぐきの出血を助長することが古くから知られています(Leggott et al., 1986)。

また、オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)には強い抗炎症作用があり、ハーバード大学公衆衛生学部の報告によれば、これを多く摂取する人は歯周病のリスクが低いとされています(Naqvi et al., 2010)。

バランスの良い食事は、歯周組織を構成するコラーゲンの合成や免疫細胞の働きを支えるうえで欠かせません。

そのために、柔らかい食べ物ばかりを選ばず、よく噛んで咀嚼することも重要となります。その効果は、血流を促し、歯ぐきの健康維持に役立つのです。

定期的なメインテナンスの力

定期的に歯科検診を受ける様子

スウェーデン・イエテボリ大学の40年に及ぶ長期追跡研究では、定期的な歯科メインテナンスを受けている人は、歯周病の進行をほぼ完全に防げることが明らかになっています(Axelsson & Lindhe, 1981)。

歯科医院でのスケーリングという歯石除去やPMTCという専門的クリーニングは、家庭では落としきれないバイオフィルムを除去し、再発を防ぐために不可欠となります。

また、クイーンズランド大学の研究では、個別指導を含む口腔教育プログラムが歯垢指数や歯周ポケットの改善に効果を示しましたと発表しています(Almabadi et al., 2021)。

それは、知識と実践を結びつける教育が、長期的な予防の基盤になることを示しています。

習慣化

デンタルフロスを使用する女性

ロンドン大学の行動科学研究によると、新しい習慣が定着するまでには平均66日かかるとされています(Lally et al., 2010)。

歯周病予防も同様で、毎晩必ずフロスを使う、食後は一度うがいをする、といった小さな行動を積み重ねることが、最も効果的な方法になるのです。

まとめとして

歯周病を防ぐための本質は、細菌、体、生活の三つのバランスを整えることにあります。

プラークを減らす適切なセルフケア、全身の健康を支える生活習慣、そして定期的な専門的ケア、この三位一体の取り組みが、科学的に最も確実な予防法となるのです。

歯周病はなる前に防ぐことが可能な病気です。

諦めず、無理のない範囲で続けることが、長期的に自分の歯を守り、健康寿命を延ばす最も現実的な方法といえると思います。

コラムはウエスト歯科クリニック玉川中央歯科クリニックで、それぞれ異なる内容を掲載しています。ぜひ、もう一方のコラムもあわせてご覧ください。

参考文献

  1. Socransky SS, et al. Microbial complexes in subgingival plaque. J Clin Periodontol. Harvard-Forsyth Institute, 1998.
  2. Tonetti MS, Jepsen S. Clinical relevance of periodontal diseases. Periodontol 2000. 2013.
  3. Kinane DF, et al. Periodontal diseases. Nat Rev Dis Primers. Karolinska Institute, 2017.
  4. Löe H. The gingival index. J Periodontol. 1967.
  5. Ng SK, Corbet EF. Oral hygiene and periodontal health. Clin Oral Invest. 2006.
  6. Yaacob M, et al. Powered vs manual toothbrushing. Cochrane Database Syst Rev. Univ. at Buffalo, 2014.
  7. Heasman L, et al. Smoking and periodontal treatment. J Clin Periodontol. Newcastle Univ, 2006.
  8. Preshaw PM, et al. Periodontitis and diabetes: a two-way relationship. Diabetologia. Newcastle Univ & King’s College London, 2012.
  9. Genco RJ, et al. Stress, immunity, and periodontitis. J Periodontol. Univ. at Buffalo, 1999.
  10. Leggott PJ, et al. Vitamin C and periodontal disease. J Periodontol. Univ. of California, 1986.
  11. Naqvi AZ, et al. Omega-3 fatty acids and periodontitis. J Am Diet Assoc. Harvard School of Public Health, 2010.
  12. Axelsson P, Lindhe J. The significance of maintenance care. J Clin Periodontol. Univ. of Gothenburg, 1981.
  13. Lally P, et al. How are habits formed. Eur J Soc Psychol. Univ. College London, 2010.
  14. Almabadi H, et al. Personalized oral health education program. Int J Environ Res Public Health. Univ. of Queensland, 2021.
  15. Volman, Stellrecht, Scannapieco. Proven primary prevention strategies for plaque-induced periodontal disease. Int Acad Periodontol, Univ. at Buffalo, 2021.

この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
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