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男性と女性、歯周病になるのは?

2026年3月3日

結論 をいいます

 男性は歯周病にかかりやすく、悪化しやすいのです

世界的な研究から、男性のほうが女性よりも歯周病にかかりやすく、進行もしやすいことが明らかになっています。

その原因は単純な体質の違いではありません。生活習慣、免疫の反応、ホルモンの影響、そして健康意識や社会的行動の差が複雑に絡み合って生じています。

女性はホルモン変動の影響で一時的に歯ぐきが腫れたり出血しやすくなることがありますが、これは多くの場合、適切なケアを行えば改善できます。

男性は慢性的に炎症が持続しやすいのです。結果として歯ぐきや骨の破壊が進みやすい。理由としては、男性に歯周病が多いのは生物学的な宿命ではなく、日々の生活習慣と健康管理の積み重ねが大きく関係していることがあげられます。

歯周病の進行

歯周病は、歯ぐきの炎症が起こり、放置することで歯を支える骨が溶けて、歯が抜け落ちてしまう病気です。

痛みが出にくいため 気づかないうちに進行し、気がついたときには手遅れになることもよくあります。

国際的な調査によると、30歳を超えると男女ともに有病率が高まりますが、男性ではその進行が早く、重症化しやすい傾向が指摘されています。

アメリカの歯周病学者Albandarの報告では、男性の方が歯周病の進行度が高く、歯の喪失率も高いことが示されています。

生活習慣

生活習慣は歯周病に大きな影響を与えます。多くの調査で、女性は一日に二回以上歯を磨き、フロスや歯間ブラシを使用する割合が高いことが報告されています。

それだけでなく、美容や健康意識の高さから定期的に歯科健診を受ける人も男性よりも多くて、初期の段階で歯周病を発見して治療しています。

一方、男性では、一日一回しか磨かない、歯が痛くなってから受診する、といった傾向が根強く、予防的な観点で見るとケアが遅れがちになります。

女性に比べて喫煙率の高さも歯周病リスクを高めています。タバコに含まれるニコチンやタールは歯ぐきの血流を悪化させて、免疫力を低下させるため、炎症が治りにくく、特に中年以降の男性は、長年の喫煙習慣が歯周病を悪化させる大きな要因となっています。

男女差とホルモン

実は、生物学的にも、男性と女性では炎症への体の反応が異るのです。

男性は免疫反応を強く起こす傾向があり、炎症が長引いて歯ぐきや骨の破壊が進みやすくなります。これは感染症に対する攻撃的な免疫応答が、歯周病のような慢性炎症疾患では逆効果になることからおこります。

それに対して、女性はホルモンの変動により一時的に歯ぐきが腫れやすくなります。思春期、妊娠、更年期などにエストロゲンやプロゲステロンの分泌が変化し、歯ぐきの毛細血管が拡張して出血しやすくなるのです。

しかし、一時的な現象であり、適切な清掃や歯科管理を行えば改善することが多いのです。つまり、女性の歯周病は一時的に悪化しやすいが、男性は慢性的に悪化しやすい、という傾向がみられます。

社会的・心理的要因

女性は見た目や口臭に敏感で、清潔であることが文化的にも求められるため、自然と歯のケアが日常習慣として定着しています。

これに対し、男性は仕事中心の生活を送り、健康管理を後回しにする傾向があり、とくに中年期以降は、ストレスや飲酒、喫煙、睡眠不足といった要因が重なることで、歯周病の進行を促進する環境が整ってしまいます。

このように、社会的役割や生活スタイルの違いが、歯周病の有病率の差として現れます。女性は早めに受診して予防的にケアを行うのに対し、男性は、まだ大丈夫、この仕事が片付いたから、と思って次第に放置してしまう傾向が強いことが、多くの調査で報告されているのです。

加齢とともに広がる

加齢は歯周病の最大のリスク因子になります。年齢を重ねると歯ぐきが下がって、歯の周囲に細菌がたまりやすい状態になります。

スウェーデンの研究では、三十年以上の観察の中で、男性のほうが女性よりも残存歯が少なく、歯周病による歯の喪失が多いことが確認されています。これは、単なる加齢現象ではなく、若いころからの生活習慣や医療への関心の差が積み重なった結果であると推測されます。

国際的な視点

発展途上国でも先進国でも、男性の方が歯周病が多く、重症化しやすいという報告があります。これは、生活環境の違いというよりも、医療機関の利用や健康管理への意識の差によるものと考えられます。

女性は家庭や地域で健康管理を担うことが多いだけでなく、時間的な余裕があるために医療サービスにアクセスしやすい一方、男性は仕事や社会的役割の中で、時間がとれずに医療を後回しにする傾向が強いのです。

結論 として

歯周病は性別を問わず発症する病気ですが、男性に多く、重症化しやすい傾向があります。これには、生活習慣、免疫の違い、喫煙、社会的行動、加齢など多くの要因が関与しています。

歯周病予防では、こうした性差を踏まえたアプローチが重要になるかもしれません。男性には、予防的な歯科受診を促し、喫煙のリスクを明確に伝えます。女性には、ホルモン変動期のケアを意識し、妊娠期や更年期など特有のリスクに対応する支援が効果的となるのです。

言い換えると、歯周病の男女差は、健康行動の違いとして現れるものだと考えられます。その性格を理解することで、一人ひとりが自分のリスクに合わせたケアを行うことが、長く健康な口の中を保つための第一歩といえると思います。

※本コラムは「ウエスト歯科クリニック」と「玉川中央歯科クリニック」の両院に、それぞれ異なる内容で掲載しています。ぜひもう一方もご覧ください。

参考文献

  1. Albandar JM, et al. Epidemiology of periodontitis. J Periodontol. 1999.
  2. Hugoson A, et al. Periodontal health and disease in a Swedish adult population over 30 years. J Clin Periodontol. 2008.
  3. Tomar SL, Asma S. Smoking and periodontal disease in the United States. J Periodontol. 2000.
  4. Petersen PE, Ogawa H. Strengthening the prevention of periodontal disease. Community Dent Oral Epidemiol. 2005.
  5. Shiau HJ, Reynolds MA. Sex differences in destructive periodontal disease. J Periodontol. 2010.
  6. Genco RJ, et al. Periodontal disease and overall health: a clinician’s guide. J Dent Educ. 2010.
医院名
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所在地
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