なぜ、噛み合わせを整えると見た目も身体も若返るのか?
2025年10月10日
みなさん、こんにちは。Dr.Ryoです。
今回のテーマはこちらです。
なぜ、噛み合わせを整えると見た目も身体も若返るのか?
最近、顔の歪んできた気がする、なんとなく、老け顔に見える、そんなことはありませんか?
私たちは通常、老化のサインを肌と髪で判断しますが、実は 噛み合わせ が老化予防への大きな効果が期待できるのです。
実は、噛み合わせのズレは、顔の歪みや印象、姿勢の歪み、全身の健康にまで直結するのです。
意外と知られていないのが残念です。 その噛み合わせを正しく整えることでアンチエイジング効果が現れて、美容整形とは違って、見た目のキレイさではなく、身体の中から、芯から若返ったように見えようになるのです。そのことは、偶然ではなく、科学的な背景があるのです。
正しい噛み合わせと顔の若さ
噛み合わせ がズレると、顎の位置が変化して顔全体のバランスも崩れます。具体的には、下の顎を後退させると口角が下がって、頬がたるんで見えます。それとは逆で、グッと噛み締めると、咬筋に負担がかかって、それが慢性化すると咬筋の筋繊維が筋トレによって肥大して、顔の輪郭が角ばってくることで、老け顔になるのです。
噛み合わせが整うことで、本来の顎の位置にあることで、顎が安定して、表情筋に引き攣りなどの、筋肉の緊張がなくなることで、本来の緊張のとれた表情筋に戻るのです。そうなることで、口角が自然に上がって、フェイスラインがすっきりします。それは、外見的にアンチエイジング効果が出て、若返ったという印象を与えます(Ishii et al., 2007)。
噛み合わせとバランス感覚
噛み合わせは姿勢と深く関わっています。下顎の位置によって頭部は傾きやすくなり、頭の位置にも影響してきます。そのことが、頸椎、胸椎、腰椎へ波及することで、猫背、肩こり、腰痛を悪化させることが知られている(Cuccia & Caradonna, 2009)。
悪い姿勢は見た目的にも良くありません。背中が丸まり、猫背になると、首が前に突き出てきます。それだけでも実際の年齢より老けて見えます。正しい整った 噛み合わせ は姿勢を改善させて、周りからは若々しく映るようになるのです。
噛み合わせと呼吸
年齢を重ねるにつれて、口呼吸 になっている人は多いと思います。とくに、マスクを常日頃からしているとか、外出だけしている人にも、口呼吸は多く見られます。
口呼吸は、噛み合わせのズレや、顎の位置が影響していることも多いのですが、そのこと自体が酸素供給の効率を低下させやすくなり、全身の代謝や免疫力を弱める要因となると、研究では言われています(Harari et al., 2010)。
噛み合わせが正しく整えられると、口呼吸ではなく、鼻呼吸がしやすくなり、酸素の取り込み効率が上がりやすくなります。酸素がキチンと隅々まで体内に行き渡ることで、細胞の新陳代謝を高めて、肌や髪の質を改善していきます。つまり、噛み合わせを整えることは、見た目の若返りだけでなく、中から若返るアンチエイジングにも直結しますし、同時に呼吸改善でもあるのです。
噛み合わせと脳や神経の影響
キチンと噛むこと、脳を刺激する行為です。正しい噛み合わせで噛むことで、記憶を司る海馬、前頭葉の血流増加、認知機能の維持にプラスに影響することが示されています。(Sasaki et al., 2011)。噛み合わせのズレが原因で、ただしく咀嚼ができなくなると、脳への刺激が減少して、認知機能の低下、精神的にも老化を早める可能性があるのです。
つまり、キチンと噛める状態を再現すると、脳への血流が増加改善し、集中力だけでなく意欲も増加する傾向がみられます。本質的なアンチエイジングは、見た目だけでなく、脳の活性化によった内面的変化も大きく影響しているのです。
慢性炎症
炎症として有名な疾患である歯周病は、慢性的な炎症を全身に波及させます。炎症性サイトカインは血管の老化を促進して、動脈硬化、そして糖尿病リスクを高める可能性が高くなることが知られています(Tonetti et al., 2007)。慢性的な炎症は老化を加速させる要因でもあり、実際の年齢よりも老けて見える原因でもあるます。
正しく噛み合わせを整えて、歯周治療を行うことで口の中の炎症を抑えることは、身体全身の炎症による負担や負荷を軽減して、老化のスピードを緩やかにすることがわかっています。これは見た目の表層的な若返りではない、体の内側から老化進行のブレーキをかける、老化予防としたは非常に効果的な行為といえます。
ホルモンと免疫
正しく噛むことは、自律神経系やホルモン分泌にも影響します。。
例えば、噛むことで副交感神経が優位になり、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少します(Hasegawa et al., 2017)。慢性的なストレスは肌荒れ、白髪、免疫力低下などの老化を促進する早ため、正しく噛み合わせによるコルチゾールの減少は若返りに直結するのです。
つまり、噛み合わせが整えば口腔機能全てが改善していき、免疫系の安定化にもプラスに影響するようになるのです。
歯科治療と、アンチエイジング
噛み合わせを正しく整えることは、審美的効果だけでなく、顔の歪みの改善による見た目の印象、姿勢、呼吸、脳機能、炎症制御、ホルモンバランス、などが改善することによって、若返りを実現させています。若返りを支えている、といっても過言ではありません。噛み合わせを正しく整えることは、健康寿命を延ばして、生活の質を高める本質的なアンチエイジング法なのです。
トータルヘルスケアの視点へ
ただし、噛み合わせだけを治したとしても、全身の健康状態が不安定であればら若返り効果はあまり期待できません。食生活の乱れ、睡眠不足、ストレス、免疫力の低下などが重なると、口の中のケアだけではとうていカバーすることはてきません。
そこで重要となるのが、全身を見渡したアプローチになります。
医療法人社団 聖和厚生会が提供する トータルヘルスケアプログラム® は、最大100時間以上にわたる精密分析をもとに、免疫、栄養、生活習慣、ストレス要因などを総合的に考慮して、個別に最適化した改善に導きます。噛み合わせの調整と全身のヘルスケアを同時に行うことは、見た目だけでなく身体の内側からの本質的な若返りを実現できるのです。
最後に
噛み合わせを整えるとアンチエイジング効果が上がるのは、顔のバランスが整うからだけではないく、実際に姿勢が改善して、呼吸が深まって、そのことから脳が活性化することで、炎症やストレスが抑えられて、免疫力が高まるのです。その複雑な丁寧な積み重ねを治療に活かすことで、外見と内面の両方を若々しく保つことができるようになります。
私は、歯科治療はアンチエイジングの入り口であり、全身の健康に直結したいると考えています。トータルヘルスケアプログラム®は、その道を支える総合的ななアプローチとして、若返りを超えた、最良の選択肢となると信じています。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
みなさんの未来の健康が維持されることを願っております。
統括院長 Dr.Ryo
コラムは玉川中央歯科クリニック(世田谷区)とウエスト歯科クリニック(目黒区)で、それぞれ掲載しています。ぜひもう一方のホームページも合わせてご覧ください。
参考文献
- Ishii K, et al. “Changes in facial profile and occlusion after orthodontaltreatment.” Angle Orthod. 2007;77(5):845–852.
- Cuccia A, Caradonna C. “The relationship between the stomatognathic system and body posture.” Cranio. 2009;27(1):45–54.
- Harari D, et al. “The effect of oral breathing on dental and facial development.” Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2010;137(2):218–225.
- Sasaki-Otomaru A, et al. “Effect of chewing on cognitive performance.” Jpn J Nurs Sci. 2011;8(2):217–224.
- Tonetti MS, et al. “Periodontitis and systemic inflammation: association with cardiovascular disease.” J Clin Periodontol. 2007;34(8):645–655.
- Hasegawa Y, et al. “Chewing and stress relief: effect on cortisol levels.” J Prosthodont Res. 2017;61(2):139–144.