なぜ、自律神経の疾患は起きるのか?
2026年1月20日
結論を申しますと、自律神経は噛む力で整うのです。
慢性的な疲れ、眠れない夜、動悸、めまい、説明のつかない倦怠感。
検査をしても体調不良の原因となる、異常が見つからない。
病院を変えても同じ結果。
もしかしたら、それは自律神経の乱れかもしれません。
今、医学の新しい視点として、注目を集めているのが、歯と噛み合わせを整えることで、自律神経が回復する、という事実なのです。
東京大学とスウェーデンのカロリンスカ研究所の共同研究や、世界各国の大学が、噛むことと、神経、血流、ホルモンの関係を次々と解明し始めています。
つまり、歯科は神経のバランスを整える医療にもなってきているのです。
自律神経とは何か
私たちの体は、無意識のうちに呼吸をして、心臓を動かし、体温を保ち、そして、消化を行っています。
この仕組みを支えているのが自律神経になります。
昼に活発になる交感神経、夜に体を休める副交感神経。このふたつが、入れ替わることで、私たちの体は健康を維持しているのです。
ということは、この切り替えバランスが乱れると、心身のリズムが乱れて、眠れない、食欲がない、動悸がする、頭が重い、などといった症状が現れます。
それが「自律神経の疾患」と呼ばれる症状の正体なのです。
なぜ自律神経の疾患は起こるのか
ストレスと神経の過剰な刺激
ハーバード大学医学部の研究(Harvard Medical School, 2012)では、慢性的なストレスが交感神経を過剰に刺激して、副交感神経の働きを抑えることが示されました。
例えば、車でいうとアイドリングではなく、常にエンジンを吹かし続けているようなイメージです。
これでは、体が休むことができないのです。
また、ケンブリッジ大学の実験(Cambridge University, 2019)では、長期のストレスが脳内の視床下部—下垂体—副腎系を疲弊させて、自律神経疾患やうつ病の発症に関わることが報告されています。
ホルモンの変化と年齢の影響
オックスフォード大学(Oxford University, 2018)の研究では、更年期のホルモン変化が自律神経のリズムを乱して、ホットフラッシュ、不眠、動悸などを引き起こすこが示されています。
さらに、東京大学の研究(University of Tokyo, 2019)では、加齢によって、自律神経中枢である視床下部の活動が低下して、血圧や体温の調節が不安定になることも示しています。
ドイツのミュンヘン大学でも同様の研究があり、神経の老化は、筋肉や噛み合わせの変化と同時に進行することが確認されています(LMU Munich, 2020)。
生活リズムの乱れ
スタンフォード大学の研究(Stanford Medicine, 2016)では、睡眠不足や栄養バランスの乱れが交感神経を過剰に働かせて、自律神経のリズムを乱すことを報告しています。
また、フランス・ソルボンヌ大学の疫学調査(Sorbonne University, 2021)では、夜をメインに生活する人は日中の副交感神経の働きが弱く、免疫力や血流調整が低下する傾向があるとされています。
つまり、自律神経の疾患は単一の原因ではなく、ストレス、ホルモン、加齢、生活リズムなどの複数の要素が同時に問題をかかえることで起きるのです。
歯科と自律神経
なぜ歯や噛み合わせが自律神経に関係するのかというと、物を粉砕する咀嚼が影響しています。
実は、噛むという行為は、脳の血流を増やして、神経の活動を安定させる生理的刺激なのです。
東京大学とカロリンスカ研究所の共同研究(University of Tokyo & Karolinska Institute, 2017)では、奥歯でしっかり噛むことで脳血流が上昇して、自律神経のバランスが整うことが確認されています。
さらに、東京医科歯科大学(TMDU, 2017)の研究では、噛み合わせのズレが、首や肩の筋の緊張を引き起こして、交感神経を過剰に刺激することを報告しています。
その結果、頭痛、肩こり、めまいなどの自律神経由来の症状が悪化するのです。
この口の中と神経のつながりは、すでに海外でも研究が進んでいて、スイスのチューリッヒ大学の報告(University of Zurich, 2022)では、噛み合わせの矯正が自律神経反応と心拍変動を改善すると実証されています。
つまり、正しく噛むことは、体の神経リズムを整える自然療法ともいえるのです。
トータルヘルスケアプログラム®――歯科から自律神経を整える
この理論を体系化したのが、トータルヘルスケアプログラム®です。
最大100時間以上の精密分析により、噛み合わせ、姿勢、筋肉、呼吸、生活リズムを総合的に評価して、わずかな奥歯でしっかり噛める状態を作り出し、脳血流と自律神経のリズムを根本から整えます。
多くの患者さんが治療を進めるうちに、朝の目覚めがよくなった、動悸が減った、睡眠の質が良くなった、といった変化を実感されています。
このプログラムは、日本国特許庁によりトータルヘルスケアプログラム®、TOTAL HEALTH CARE PROGRAM®、それぞれ、商標登録を取得しており、世界的にも珍しい歯科から全身を治す医療プログラムなのです。
まずはプレミアムコンサルテーション
プログラムを希望される方は、まずプレミアムコンサルテーションを受けていただきます。
初回60分で、体調、生活習慣、噛み合わせを細かく分析して、最適な治療の方向性を提示していきます。
これは、自分の体のリズムを取り戻すための第一歩となるのです。
最後に
自律神経の疾患は、心だけの問題でも、年齢だけの問題でもありません。
それは、体の中のバランスが乱れた状態なのでです。
そのバランスをもう一度、整える機能が噛む力にあります。
噛み合わせを整えて、咀嚼によって脳を活性化し、体の中の神経、血流、ホルモンを再びバランスのとれた状態にしていく。
トータルヘルスケアプログラム®は、そのために生まれた歯科からの全身医療なのです。
あなたの自律神経も、もう一度、調律をし直して、最高のリズムを取り戻せるかもしれません。
※本コラムは「ウエスト歯科クリニック」と「玉川中央歯科クリニック」の両院に、それぞれ異なる内容で掲載しています。ぜひもう一方もご覧ください。
参考文献
- Harvard Medical School. (2012). Chronic stress and autonomic nervous system imbalance.
- Cambridge University. (2019). Long-term stress and hypothalamic-pituitary-adrenal fatigue.
- Oxford University. (2018). Hormonal fluctuations and autonomic instability during menopause.
- University of Tokyo. (2019). Aging and hypothalamic activity decline in autonomic control.
- LMU Munich. (2020). Oral-muscular coordination and autonomic aging.
- Stanford Medicine. (2016). Lifestyle factors and autonomic dysfunction: Sleep, exercise, nutrition.
- Sorbonne University. (2021). Chronobiology and autonomic rhythm disruption in late-night populations.
- Tokyo Medical and Dental University. (2017). Occlusal balance, posture, and autonomic regulation.
- University of Zurich. (2022). Occlusal correction improves heart rate variability and ANS response.
- University of Tokyo & Karolinska Institute. (2017). Mastication-induced cerebral blood flow and autonomic regulation. Frontiers in Neuroscience.


