ニキビ・吹き出物ができる本当の理由と対策
2026年5月12日

結論をいいます
よく噛むことが、肌を変えるのです
ニキビや吹き出物は、皮脂や毛穴の詰まりだけが原因ではありません。
実は、よく噛むことが、肌の調子を左右していることが近年の研究で明らかになってきました。
物を粉砕する咀嚼は、血糖値、ホルモン、免疫、腸内環境など、体のあらゆる機能に影響してきます。
よく噛むことで代謝が整って、炎症を起こしにくい体質に変わり、皮脂の分泌も安定していくのです。
そうなることで結果的に、ニキビや吹き出物ができにくい肌がつくられていくわけです。
やりがちな、スキンケアや薬だけで症状を抑えても、再発を繰り返す人が多いのは、体の内側の乱れが改善されていないからなのです。
肌を本当に変えるには、物を粉砕する咀嚼と全身のバランスを整えることが最重要といえるのです。
繰り返すニキビの本当の正体

思春期に限らず、大人になってからも吹き出物が続く人は意外と多いのです。
吹き出物ができるには、いくつもの要因が複雑に絡んでいると考えられます。
2019年の京都大学の研究では、アンドロゲンというホルモンが皮脂腺を刺激して、皮脂の質を変化させて炎症を引き起こすことが示されています。
2018年のスタンフォード大学では、毛穴の詰まりと皮膚常在菌のバランスが炎症型ニキビの引き金になると報告しました。
2020年の慶應義塾大学では、アクネ菌の種類によって炎症の強さが異なることを明らかにしています。
このように、ニキビは単なる皮膚だけの問題ではなく、ホルモン、代謝、免疫の影響を受ける全身性の症状といえます。
噛むことと代謝

食事のとき、何回噛んでいますか?
実はその回数が、皮脂分泌や炎症体質に関係しているかもしれません。
2014年の東京医科歯科大学の研究では、よく噛む人ほど内臓脂肪が少なくて、インスリン抵抗性が低いことが確認されています。
インスリン抵抗性が高いと血糖が不安定になり、皮脂腺が刺激されてニキビを悪化させるのです。
また、2011年のハーバード大学公衆衛生学部の報告では、よく噛むことで満腹ホルモン(GLP-1やPYY)が増えて、炎症性疾患の発症を抑える効果があると示されています。
つまり、よく噛むことは皮脂を安定させる自然なホルモン療法ともいえなくもないのです。
咀嚼が免疫を整える

噛むという動作は、消化のためだけでなく、免疫機能にも大きく関わってきます。
2018年の九州大学の研究では、よく噛む人ほど唾液中のIgAが多く、感染や炎症への抵抗力が高いことが示されています。
この免疫反応は口の中だけでなく、全身の炎症を鎮める働きもあるのです。
さらに、2016年のスウェーデンのカロリンスカ研究所では、物を粉砕する咀嚼が自律神経を介して全身の免疫応答を調整することを発見しました。
つまり、噛むことで副交感神経が優位になり、体全体の炎症を落ち着かせるということです。
このことが、赤く腫れたニキビや慢性吹き出物の改善につながるのです。
腸内環境が肌をつくる

腸がきれいな人は肌もきれい、とよく言われますが、実はこれ、科学的な裏づけがあるのです。
2018年のイェール大学医学部のレビューでは、腸内細菌の乱れが全身性の炎症を引き起こし、ニキビやアトピーを悪化させることが指摘されています。
よく噛むことで食物がしっかり分解されて、小腸での吸収がスムーズになります。
つまり、未消化のまま腸に残る食べ物が減ることで、腸内環境が安定して、便通が改善するというものです。
老廃物が体外に排出されると、皮膚が無理に毒素を出す必要がなくなり、吹き出物が減っていくというメカニズムです。
臨床の現場で見えるもの

実際によく噛むことを意識した患者からは、便通が良くなって肌のトラブルが減った、胃腸の調子が整って顔色が明るくなった、といった声が多く寄せられています。
2020年の東京大学附属病院の臨床栄養チームは、咀嚼習慣の改善が体脂肪と炎症マーカーの低下に関連していると報告しています。
つまり、肌の健康は、消化の質で決まるといえるということです。
トータルヘルスケアプログラム®︎による根本改善

こうした全身のつながりを体系的に整えるのが、医療法人社団聖和厚生会によるトータルヘルスケアプログラム®です。
このプログラムでは、かみ合わせ、姿勢、筋肉、腸内環境、免疫などを総合的に評価して、体の歪みや機能のアンバランスを調整します。
その結果、咀嚼機能が改善されて、血流と代謝が高まることで、消化、吸収、排泄のサイクルが自然に整ってくるのです。
実際に受けた人からは、そういえばニキビが出にくくなった、顔色や表情が明るくなった、薬に頼らなくなった、といった嬉しい変化が報告されています。
つまり、肌を変えるには、肌そのものではなく身体のしくみから整えることが大切なことがわかると思います。
最後に

ニキビや吹き出物は、皮脂や毛穴のトラブルのように見えて、実は全身のSOSのサインです。
よく噛むこと、体を整えること、腸内を整えること、これら全てがつながって、健康で美しい肌をつくるわけです。
肌を変える第一歩は、ますは食べるスピードをゆるめ、丁寧に噛むこと。
第二は、あなたに合った噛み合わせに整えることになります。
※本コラムは「ウエスト歯科クリニック」と「玉川中央歯科クリニック」の両院に、それぞれ異なる内容で掲載しています。ぜひもう一方もご覧ください。
参考文献
- Kyoto University, Dept. of Dermatology. Androgens and sebaceous gland function. 2019.
- Stanford University, Dermatology Research. J Invest Dermatol, 2018.
- Keio University School of Medicine. Subtype differences in Cutibacterium acnes., 2020.
- Tokyo Medical and Dental University (TMDU). J Epidemiol, 2014.
- Harvard T.H. Chan School of Public Health. Am J Clin Nutr, 2011.
- Kyushu University, Faculty of Dentistry. J Dent Res, 2018.
- Karolinska Institutet. Brain Behav Immun, 2016.
- Yale University School of Medicine. Nat Rev Gastroenterol Hepatol, 2018.
- University of Tokyo Hospital, Clinical Nutrition Dept. Report, 2020.
- American Academy of Dermatology. J Am Acad Dermatol, 2016.
この記事は
医療法人社団 聖和厚生会
ウエスト歯科クリニック/玉川中央歯科クリニック
統括院長
Dr. Ryo が執筆しました。
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