ブログ

腰痛の本当の原因 とは?

2025年11月18日

腰痛は、身近に訪れる不調の一つです。

例えば、デスクワークが長く続いたり、重い荷物を持ち上げたり、思い当たる原因がないのに、腰が痛むことがあります。

病院に行けばレントゲンやMRIで椎間板が変形している、骨に老化が見られる、と説明されることが少なくないのですが、実際には、画像で異常が見つかっても痛みがない人がいる一方で、画像では異常所見がないのに強い痛みに苦しむ人もいるのです。

ということは、腰痛は、骨や椎間板の変化だけの問題ではない可能性があるといえるかもしれません。

姿勢と骨盤が決める

人間の背骨は、首から腰までがしなやかなS字カーブを描いて、その土台を骨盤が支えている構造になっています。

骨盤が前に傾きすぎると腰の反りが強まって、背骨の後ろ側の関節に負担がかかるようになります。

反対に、腰のカーブがなくなり平らになると、椎間板に圧が集中するのです。つまり、姿勢や骨盤の傾きは、腰にかかる負担を大きく左右しているといえます。

もしかしたら、日常のちょっとした癖である、長時間のデスクワークや片足重心の立ち方などが、このバランスを崩す引き金になっているかもしれないのです。

股関節と下肢と腰

腰は、股関節や脚とつながっています。股関節が硬くなったり、外側に広げる筋肉が弱まると、その動きを補うために腰が過剰に働かされます。

ある研究では、腰痛のある人は股関節の可動域が狭くて、筋力が弱い傾向があると報告されています。また、脚の長さに差がある、足首が内側に傾いている、というような、下肢のアライメントの乱れやズレも、腰にじわじわと負担をかけてくるのです。

つまり、腰の痛みを解決するには、腰だけを診るのではなく、股関節から足先までを含めた全体像を見なければならないといえるのです。

深部筋の働きと腰の安定

腰を守るのは骨ではなく、もっと深部にある筋肉です。通常、腹横筋や多裂筋と呼ばれる体幹の奥深くにある筋肉は、背骨を内側から支えるコルセットのような役割を果たしています。

しかし、慢性的な腰痛の人は、これらの筋肉がうまく働かないで、背骨の安定性がなくなっているのです。つまり、深部の筋肉を適切なタイミングで働かせることが、腰の痛みを和らげる大きな鍵になるといえます。

積み重なる、クセ

腰の負担は、静止姿勢だけではなく、動作中のクセが痛みを生みやすいのです。

重い物を持ち上げるときに腰だけで曲げるとか、歩くときに背骨が硬く動かないとか、椅子から立ち上がる際に骨盤の動きが制限されているとか、こうした日々の小さな動作が積み重なって、腰の一部に負担を集中させるのです。

多くの腰痛の人は歩行や前屈の際に背骨の動きが硬くて、柔軟に負荷を分散できていないことが観察されています。動作を見直すことは、症状改善のきっかけをもたらしてくれるのです。

神経と心

腰痛が続くと、神経が過敏になってきて、軽い刺激でも強い痛みを感じるようになります。

さらに、動かしたらまた痛むかも?という恐怖が強まってくると、体を動かさなくなって、筋肉は弱り、さらに痛みが悪化するというマイナスのループに陥ります。

つまり、腰痛は、心や神経の働きとも深く関わっているのです。そのために、痛みへの不安を和らげて、安心して体を動かせるようにする心理的サポートも必要なのです。

腰痛の本当の原因

腰痛の原因は一つではありません。骨や椎間板の老化が関わることもありますが、それだけでは説明しきれないこともあります。。

姿勢や骨盤の傾き、股関節や脚の硬さ、深部筋の働きの弱さ、動作のクセ、神経や心の状態。これらが複雑に関係して、腰に偏った負担をつくり出すことで痛みが現れて、慢性化していくのです。

改善のために

腰痛の根本からの改善には、薬や注射で炎症を抑えるだけではなく、自分の姿勢や動作のクセを理解して、股関節や体幹の筋肉を鍛えて、日常の動作を修正していくことが必要になります。

そして、同時に、痛みに対する恐怖を和らげて、少しずつ体を動かしていくことも大切です。つまり、腰痛を克服には、体全体を見直す総合的なアプローチが欠かせないといえるのです。

トータルヘルスケアプログラムの可能性

腰痛の人にとって必要なのは、部分的な取り組みではなく、全身のバランスを整える取り組みです。

姿勢、歩行、筋肉の働き、噛み合わせに至るまでを精密に分析し、腰に集中する負担を根本から再設計する、トータルヘルスケアプログラム®は、そのための有力な方法といえると思います。

腰痛を、結果ではなく、原因から捉え直すことで、本質的に再発を防ぎ、長期的な改善を目指すことができると考えています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

このコラムの内容を生活の中で意識していただけるだけでも、生活の質は向上すると思います。

プレミアムコンサルテーション、トータルヘルスケアプログラム®︎は、必要だと感じたときにお役立ていただける、健康づくりの一つの選択肢です。

みなさんや、そのご家族、ご友人の健康を支える選択肢とさめ、心に留めていただければ幸いです。

次回も、また、みなさんの健康に役立つお話しをお届けできれば幸いです。

コラムは「ウエスト歯科クリニック」と「玉川中央歯科クリニック」の両院に、それぞれ異なる内容で掲載しています。ぜひもう一方もご覧ください。

参考文献

  • Abbasi S, et al. Association between lower limb alignment and low back pain: A systematic review with meta‐analysis. PLoS ONE, 2024.
  • Efficacy of Core Stability in Non‐Specific Chronic Low Back Pain. Sports, MDPI.
  • Hlaing SS, et al. Effects of core stabilization exercise and strengthening exercise on proprioception, balance, muscle thickness and pain‐related outcomes. BMC Musculoskeletal Disorders, 2021.
  • Zanotti Pizol G, et al. Hip biomechanics in patients with low back pain: what do we know? BMC Musculoskeletal Disorders, 2024.
  • Ahn S‐E, et al. Gluteal Muscle Strengthening Exercise‐Based Core Stabilization Training for Chronic Back Pain. Medicina, 2024.
医院名
医療法人社団聖和厚生会 玉川中央歯科クリニック
所在地
〒158-0094
東京都 世田谷区 玉川4丁目7-8-1F
最寄駅
東急田園都市線「二子玉川」駅
玉川高島屋方面の改札を降りて、徒歩7分です。
03-3708-6480

【診療時間】

月火木金 10:00〜13:00/14:30〜20:00
土・祝 10:00〜13:00/14:30〜18:00

*休診 水・日(土曜、祝日は診療しています)

※受付時間は終了時間の30分前までとなります。(治療内容により異なります)

各種クレジットカードのお取り扱い

各種クレジットカードのお取り扱い

保険の治療は現金でお願いしております。

Copyright (C) 2025 TAMAGAWA CENTRAL DENTAL CLINIC All rights reserved.